アデレードヒルズ・GI ピカデリーヴァレー

ピカデリーバレーは、1979年に最初のブドウ園が植えられ、アデレードヒルズのワイン産地のサブ GI (地理的表示) として 2000 年に設定されました。

シャンパーニュで使用される伝統的な方法によるオーストラリアのスパークリングワイン生産の発展が、ピカデリーバレーとタスマニアで同時に始まったことは、いかにこの地域が冷涼で特別な地域という事が示されています。

非常に少数のワイナリーが、ピカデリーバレーでワインを生産し、ピカデリーバレーで収穫されたブドウは、より広いアデレードヒルズや南オーストラリア州の他の地域にあるワイナリーに買い求められます。ルーシーマルゴーを始め、オコタバレルやマードックヒルなどがその代表です。

ピカデリーバレーの暖かい場所は一般にテーブルワイン (シャルドネ、ピノノワール) に使用され、最も涼しい場所は一般にスパークリングワインの製造に使用されます (伝統的な方法の原則に従います)。

ピカデリーバレーは生態学的に多様で、いくつかの保護された原生林があります (固有の Stringy Bark ツリーが生息しています)。また、いくつかのマーケットガーデン、リンゴとチェリーの果樹園、そして小さな羊牧場がある強力な農業地域でもあります。

2017 年 11 月現在、ピカデリーバレーのブドウ栽培面積は 231.54 ヘクタールです。

標高

ブドウ畑は標高 450m ～ 600m に位置し、10度から 20度のなだらかな傾斜。方角によって受ける熱量がかなり変わります。

土壌

ピカデリーバレーの地質は、16 億年前の石灰ケイ酸塩から 7 億年前の千枚岩、頁岩、砂岩、石英に富む地層までの範囲の先カンブリア紀の堆積物で構成されています。土壌はポッドソライズドデュプレックス（ポドソル化二重土壌）で砂質ロームから粘土質ローム、地質はウールシェッドフラットシェール、バスケットレンジサンドストーン、またはバロッサコンプレックスのいずれかです。

◆ウールシェッドフラットシェール
堆積岩の頁岩（けつがん）主体

◆バスケットレンジサンドストーン
堆積岩の砂岩主体

◆バロッサコンプレックス
火成岩、変成岩の様々な岩が混じり合う土壌

気候

ピカデリーバレーの南にあるティアーズヴィンヤード (標高 450 m) で観測された積算温度平均は 1,172 度日です (10 月から 4 月 – 過去 30 年間の平均、2011 年に観測された最小値は 1,045)。これは、ほとんどのタスマニアのブドウ栽培地域で観察される平均的な熱の合計に似ています。その他の国ではドイツ・モーゼル、フランス・シャンパーニュ地方またブルゴーニュです。アデレード平均の積算温度は2,000度日前後ですから、いかにこのピカデリーバレーが冷涼か分かります。