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フード・ペアリング② 魚・ヒラメ

前回はどのような切り口で食事でワインを合わせるか、ざっくりですがご紹介致しました。

第二回は魚介類に絞り、料理のメインの食材にフォーカスしてどのようにワインを合わているか記載致します。

ヒラメ

淡白ながら旨味や甘味があり、程よい食感もあるヒラメ。昆布締めにしたり、焼いてもあまり硬くならないのも特徴的です。

刺身・昆布締め(塩で食す)


【ポイント】繊細な味わいを生かすこと(ヒラメのあまみを引き立てる・質感や風味を合わせる)

・アルコール度数に気を付ける。(11-12.5度)
→繊細な風味を生かす為、アルコール度数は低めが良い。ただし魚が新鮮ではないと臭みが生じてしまうので注意。

・柑橘系の果実味・香りのワイン(冷涼気候のもの)
→一般的に生物には柑橘の方が相性が良いので。

・ミネラル > 果実味のワイン (ミネラルが硬くても、柔らかくても良い)
→ミネラルがないと単調なワインとなってしまい、酸味がより強調され、ヒラメ特有のややねっとり、歯応えの質感に合わず、また余韻も短くなるので臭みも出やすい。

合わせる実際のワイン例

●ドイツ・リースリング・トロッケン (ファンフォルクセンやゲオルグブロイヤー)
透明感あり、硬水のような適度なミネラルがあり、静かだが強さを備えている。→ひらめの風味や質感に違和感なく合わせる。

●南アフリカ・シュナンブラン(セイディーファミリー、バーデンホースト)
圧倒的ミネラル的で石やチョーク、貝殻を彷彿とさせるミネラル感。アルコール度数も控えめなのも合わせやすい。→ヒラメに塩を加えるような感覚で合わせる(対比効果)

●スペイン領・カナリア諸島・リスタンビアンコ(エンヴィンーテ)
水の中に柚子や塩、旨味素材を溶け込ませたかのような、柔らかく、旨味がありとろっとしていてかつ塩味のミネラルのバランスが良く、貝類にも合わせやすい。→同調を狙ったペアリング。(相乗効果)

オーストラリア・クレアヴァレー・リースリング(コーナーワイン)
オイリーな香りはなく、新鮮かつTHE柑橘系といった綺麗な酒質で奇をてらわず二本の食材に合わせやすい。→薬味的な、ソースのような感覚で合わせるペアリング。

ヒラメのソテー
(ソースや付け合わせはなしとします)

【ポイント】柔らかな身質で油分との相性の良いヒラメ。皮はなく、焼き過ぎてはいけないヒラメなので、強めな樽香のするものは避けた方が良い。柑橘やハーブの相性も忘れてはならないのもポイント。

・柔らかいテクスチュアーのワイン

・果実味>ミネラル

・果実味はやや柑橘より(グレープフルーツ、レモンコンフィ、りんごなど

・アルコール度数は中程度(13度前後)

●フランス・サンセール・ソーヴィニョンブラン(ヴァンサンピナールなど)→しっかりとした果実味(熟したレモン、グレープフルーツコンフィ)がありながらもそれを支えるミネラルと酸。とろっとしながらもハリがあるワインでヒラメの質感と合う。(同調効果)

●オーストラリア・シャルドネ (オコタバレル)→全面に出ていない樽感と熟したレモンやリンゴのミツのような充実した果実感に明らかに塩味のようなミネラルがあり、ボリューム感がちょうど良い。これも質感に合わせたペアリング。

●イギリス・ピノノワール ロゼ(ガズボーン)→かなりイレギュラーで正統派ではないが、淡くキレイなロゼは付け合わせのトマトやパプリカのような感覚で合わせてみると良い。冷涼気候なゆえかミネラルからかスイカの皮に近い白い部分のような青い感じが割と幅広い食材と相性がよく水水しい液体が素晴らしい。このみずみずしさも淡白なヒラメには良い。(ソース的な付け合わせ的ペアリング) 

色々ソムリエによっては考え方がありますが、私は上記の様に魚の臭みを出したくないのと、ワインが主役にならない事を念頭に置いて決めてます。

次回は赤身のカツオと何のワインを合わせるか紹介したいと思います。

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