2022.11.03記事一覧 フードペアリング①・理論 料理と相性の良い飲料を合わせる事で、料理の良さが引き立つ、またはお酒が進むといったペアリング。数回に分けて実際にレストランのソムリエとしての経験での理論などご紹介出来ればと思います。実際レストランでは魚介のみ扱うフレンチレストラン(アビス)で、料理自体は10品に対して9種類のワインをペアリングで提供しています。ペアリングに関しては10年以上の経験がありますが、あくまで自身の経験のみを記載してます。 ワインはデリケートな飲み物なので食材の焼き方だったり、食材の状態(新鮮か、保有する脂の量や水分量など)、で合わせるワインも変わってきます。そんな食材に対してどのように合わせていくかベースが以下となります。①対比現象②抑制現象③相乗現象④変調現象詳しい説明は以下に記載してますが例えば、魚卵とかなら臭みが出るのが嫌なので下記の ② 抑制効果を使用します。少々アルコール度数の高いワインや果実味の強いもので臭みが出そうな余韻を消します。また、単調な食材 (テクスチャーの弱い料理、豆腐など) には ① の対比効果を利用し、ミネラルの強いワインを合わせ、あえてメリハリをつけます。(薬味の生姜のような感覚ですかね)以下その理論を説明します。 ① 対比現象 2つの異なる味を食べた際に、一方の味が他方の味を強めるといった効果。例)スイカ+塩→甘味が増す・生の帆立×塩味あるワイン(ギリシャのサントリーニのアシルティコや南アフリカのシュナンブランなど) ② 抑制現象 2つの異なる味を混合した時に、一方または両方の味が弱められる現象のこと。例)コーヒー+砂糖→苦味が減少・ふきのとう×少し残糖あるリースリングなど ③ 相乗現象 これは香りや味が同じもの、似たもの同士をペアリングして相互にその味を強め合う効果のこと。例)カツオ節+昆布→旨味が増す・焼いた帆立×旨味のあるワイン(フランスジュラの白など) ④ 変調現象 異なる味を続けて食べた時に後で食べる味が変化するという現象。例)ミラクルフルーツ+レモン→甘味が増す・正直狙って出来るものではないので最初から狙わず偶然で生まれるものと思っています。 以上がベースとなるペアリングの考え方です。実際は使用頻度が多いのは①の対比効果と③の相乗効果だと思います。②関してはせっかくの料理の魅力を減少させてしまう事があるので余程の食材じゃないと使用しません。上記以外にも、⑤ソースや、食材のように補うペアリングの仕方。例えばバジルや黒オリーブなんか使用しているお皿の中にトマトが入ってても美味しいそうですよね。それをワインで補うという事です。トマトっぽいワイン、ロゼワインや軽めの酸のあるワインなどです。⑥雰囲気で合わせるペアリング伊勢海老やキャビアなど高価な食材に合う安いワイン缶よりも、多少合わなくても、格のあるワインの方がより豪華な演出となり結果楽しい雰囲気となります。食材以外でも、野外や季節、湿気、天候、人数など状況に合わせてワインを選びます。次回からは具体的な食材とワインの相性についてご紹介します。 投稿者: TANY 記事一覧 ペアリング, フード, ワイン, 料理 コメント: 0 アデレードヒルズ・GI ピカデリーヴァレー フード・ペアリング② 魚・ヒラメ 関連記事一覧 Young Gun of Wine 生産者特集② オーウェン・ラッタ Owen Latta オースト... WINE × MUSIC プレイリスト アデレードヒルズ・GI ピカデリーヴァレー フード・ペアリング② 魚・ヒラメ Winemaker of the Year AUSTRALIA コメント ( 0 ) トラックバック ( 0 ) この記事へのコメントはありません。 この記事へのトラックバックはありません。 トラックバック URL 返信をキャンセルする。 名前 ( 必須 ) E-MAIL ( 必須 ) ※ 公開されません URL 上に表示された文字を入力してください。
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