Jamsheed / Beechworth Roussanne 2021 ジャムシード / ビーチワース ルーサンヌ
カルトワイン・ジャコンダの畑からのルーサンヌ(白)100%ワイン
全房発酵のSyrahで名を馳せるGary Mills【ギャルー ミルズ】ですが、このワインだけは彼の名声よりもとあるワイナリーの影響力が色濃く反映されています。砂岩や貫入火成岩に入混じり花崗岩を特徴とするBeechworth【ビーチワース】は1800年代後半に始まったゴールドラッシュに端を発し成⻑した小さな街ですが、ワイン生産地として一躍その名声を高めた当事者はGiacnonda【ジャコンダ】というカルトワイナリーです。
そのGiacondaが著しい評価を得るのに貢献したのがBeechworth最古の畑Warner【ワーナー】 ヴィンヤード。Giacnodaが生産量を落とし、Syrahの半分とRoussanneの全量を生産をストップした際に、Warner一族からその代替者として指名されたのが他ならぬJamsheed。以来、このワインはオーストラリアのワインギーク達に密かに支持されて来ました。
この年もある種特徴的なマロングラッセやラムレーズンのニュアンス。オイリーで艶めかしい舌触りと、塩味のある力強い仕上がりです。
【原産国】オーストラリア ビクトリア州 ビーチワース
【生産者】ギャリー ミルズ Gary Mills
【タイプ】白ワイン・ミディアム〜フル
【ぶどう品種】ルーサンヌ 100%
【アルコール 】13.6%
【HP】https://www.jamsheed.com.au
ギャリー・ミルズ
ジャムシードはペルシャ神話に登場する伝説上の王であり、インド神話の閻魔に相当する人物です。グラスを通して王国の全てを見渡す事が出来たと言われており、ワインが誕生する逸話に深く関わった事でも良く知られています。
オーナー兼ワインメーカーであるギャリー ミルズは一昔前からオーストラリアワインに冠されるカンガルーやコカトゥー(オウム)と言った名前に辟易としており、国際的に通じる名前を自分のワインへ着ける事を昔から考えていました。
ギャリーの経歴は変化と起伏に富んでいます。若き日に村田製作所の実業団に所属し、島根県に住んでいた彼は広島カープのプロテストを受ける程の逸材でしたが肩の故障により英会話の教師となりました。オーストラリアへ帰国後、故郷マガレット リヴァーでのビンテージ参加、ここから急転直下で彼のキャリアは変化していきます。日本語堪能なギャリーを見込んで、カリフォルニア ナパにあるリッジからワイナリーでの仕事が舞い込んだのです。5週間の滞在予定でリッジへと飛んだギャリー。しかしリッジのポール ドレイパーは彼の鋭敏な味覚と醸造センスを感じ取り様々な仕事をギャリーに課す事になりました。結果として2年半リッジ ヴィンヤードでワインメーカーとして研鑽を積み、果たして彼が愛するワインを自身の手で作るべくオーストラリアへと舞い戻ったわけです。
ギャリーのワインは彼が心から愛するブドウ品種シラーとリースリングを基本としています。そのスタイルは繊細にして優美。今やニューヨークタイムズ紙が、オーストラリア最良の生産者として特集する程に世界から注目される存在になりました。ギャリー ミルズはオーストラリアの次世代を担うバンディエラとして、その優しく澄み切った視線を未来を見据えています。
栽培 | 砂岩や貫入火成岩に入混じり花崗岩を特徴とするBeechworth【ビーチワース】最古の畑Warner【ワーナー】 ヴィンヤードから |
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醸造 | ハンドピックしたフルーツを房ごとプレスし、大きな古樽で発酵、同じ古樽で6ヶ月シュール リを経て熟成、他ワインと同様にフィルターや清澄を経ずにボトリングされています。 |