Frederick Stevenson / Marsanne Roussanne 2022 フレデリック スティーヴンソン / マルサンヌ・ルーサンヌSold Out
味わい深く落ち着いて飲めるようなナチュラル・マルサンヌ。
生産本数は1176本。
Riesling同様にテクスチャーを重視し、クリーミーで若干オイリーさを感じさせる仕上がりになっています。アロマの第一印象はハニーサックル、そしてプラムやネクタリンの果肉、紅玉リンゴ等ストーンフルーツの果実味がたっぷり。厚みある果実感ですが、繊細で豊富な酸が果実味の隙間に見事に溶け込み一体化し、タンニンの食感もあり、黄金色のまばゆい外観はローヌの白品種が持つ芳醇でグラマラスな個性を直感的に連想させてくれます。傑作。
【原産国】オーストラリア 南オーストラリア州 バロッサバレー(ヴァインヴェール)
【生産者】スティーヴン・クロフォード
【タイプ】白ワイン ミディアム ドライ
【ぶどう品種】マルサンヌ64% ルーサンヌ36%
【アルコール 】12.6%
【公式HP】https://www.frederickstevenson.com.au
スティーヴンクロフォード Steve Crawford
フレデリックスティーヴンソンは、2014年頃突如として南オーストラリアのアデレードに販売され始めた謎のワインでした。一体誰がこのワインを作っているのか誰も知らず、そしてどこに醸造所があるかも不明だったのです。それもその筈フレデリックスティーヴンソンとは仮名であり、その正体はスティーヴンクロフォード。フランスでワイン造りを学んで故郷に戻ったばかりの青年だったからなのです。
スティーヴンはワイン作りを始めるに当たり、先ず自身のアイデンティティを全てひた隠しにしました。スパイダーマンやバットマンのようにエイリアスを作ったことには理由があり、自身が望むスタイルを作り続ける事で周囲から敵視されたり、家族が後ろ指を指されるのではないかと考えたのです。
ルーシーマルゴーやショブルックのワインが当時は殆ど流通しておらず、スティーヴンはオーストラリアに於ける自分を異端として捉えていた訳です。偽名を使用し、複数の無名アーティストをラベルデザイナーに据え、突如としてサンプルボトルをワインショップに送りつけることでビジネスの礎を築いたスティーヴン。つい数か月前までは無名の存在であり、アデレードの街中にある古ぼけたガレージでワインを作っていることなど、誰も露知らず。ミステリアスでアンビシャス。
栽培 | Vine Vale【ヴァイン ヴェール】アーレンス家によるバイオダイナミック農法の認定を受けている畑から収穫されたMarsanne/Roussanneの64/36ブレンド。 |
---|---|
ワインメイキング | 畝ごとに異なる古樽へとプレス、古樽発酵/熟成。2-4日間のスキンコンタクト、そしてシュール リ。 |
2014年、まさしくオーストラリアにいた頃、ワインショップのワイン棚に置いてあったフレデリックのラベルが当時は斬新で際立っていつかは飲んでみたいと思っていた頃、メルボルンのレストランに来て、自らワインの試飲の営業を行っていました。コーラのようなジュースの飲み物みたいで、こんなもんか。。と当時思っていました。が、、現在の彼のワインは見事進化しておりました。私の好きなナチュラルメイキングなんだけど不快な要素がなく、かつ楽しいと思わせてくれるような複雑性だったり個性を感じさせてくれるワインでした。2023年の6月で遅すぎますが、彼のワインを販売するに至りました。